2024.05.30

一橋大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

一橋大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

一橋大学に行きたいと考える入学希望の方も多いのではないでしょうか。しかし、どのような勉強方法や対策方法をすればいいのかわからないという受験生も多いと思います。そこで本ページでは、一橋大学の入試方式や倍率などのデータをご紹介します。是非参考にしてみてください。

一橋大学とは

一橋大学は、東京都国立市に本部を置く日本の国立大学です。東京商科大学の後身であることもあり、商学部を中心に発展してきた大学です。偏差値帯としては「東京一工」と呼ばれる、「東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学」の超難関国立大学を合わせた大学群に含まれます。東京一工の偏差値はこちらです。

大学名偏差値
東京大学67.5~72.5
京都大学62.5~72.5
一橋大学65.0~67.5
東京工業大学65.0

※一般入試前期日程の数値を参照しています。

余談ですが、東京工業大学は東京医科歯科大学と統合され、東京科学大学となる予定です。2024年秋頃に移行予定となっています。

社会科学を先導する大学

一橋大学の大きな特色として第1に挙げられるのは、日本で最も伝統のある社会科学系研究大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績です。また、この伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることも同時に挙げられます。2023年4月には、社会科学とデータサイエンスを融合させることにより、社会科学の視点から、情報技術の進展及びDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献できる人材を輩出することを目的として、ソーシャル・デ ータサイエンス学部を開設しました。

ゼミナールを核とする少数精鋭教育

第2には、ゼミナールを核とする少数精鋭教育が挙げられます。ゼミナールとは、担当教員の指導のもと、特定のテーマについて、発表や討論を行う授業であり、「講義」とは異なり学生が自発的に参加することが大変重要です。一橋大学は、このゼミナールを教育の中心としてきた長い歴史を有し、ゼミナールを必修としていること、平均7~8人程度の少人数で行われていることが一橋大学ならではの特色と言えます。

https://juken.hit-u.ac.jp/about/overview

一橋大学の学部について

学部学科
法学部法律学科・法学コース・国際関係コース・法曹コース
経済部経済学科
商学部経営学科商学科
社会学部社会学科
ソーシャル・データサイエンス学部ソーシャル・データサイエンス学科

一橋大学は文系学部のみが設置されており、文系に特化した大学です。ソーシャル・データサイエンス学部が2023年度に設立され、理系寄りの学部が誕生しました。ただ、受験科目を見ても文系の生徒でも受験がしやすいようになっているので、完全な理系学部という立ち位置ではないです。ソーシャル・データサイエンス学部以外の法学部、経済学部、商学部、社会学部はどれも70年以上の歴史のある学部です。一方、理工学部や医学部といった理系学部はありません。他大学との連携講座や単位互換はありますが、大学として理系学部を設置してはおりません。

一橋大学の学生数

学部学生数男女比率
法学部740男性:65.1%女性:34.9%
経済部1,191男性:87.3%女性:12.7%
商学部1,244男性:72.7%女性:27.3%
社会学部1,093男性:79.2%女性:20.8%
ソーシャル・データサイエンス学部67(新設のため1年次のみ)男性:85.1%女性:14.9%
合計4,335男性:71.8%女性:28.2%

どの学部もおよそ1000人程度の学生が在籍しています。ソーシャル・データサイエンス学部については新設学部のため1年次の学生のみとなっています。学部が文系のみであることと、大学の理念として少人数教育を志しているため、学生の総数は他の国公立大学と比べると少なくなっています。男女比については全体を通して男性71.8%、女性28.2%と男性の比率が高くなっています。特に、経済学部やソーシャル・データサイエンス学部はその傾向が顕著になっており、男性約85%に対して女性約15%となっています。

一橋大学の所在地

国立キャンパス小平国際キャンパス千代田キャンパス
・法学部
・経済学部
・商学部
・社会学部
・ソーシャルデータサイエンス学部
・中央図書館
中央線国立駅下車南口から徒歩約10分
・留学生寮スポーツ施設
中央線国分寺駅で西武多摩湖線に乗換え 一橋学園駅下車南口から徒歩約7分
・学術総合センタービル一橋講堂
東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線 神保町駅A8出口より徒歩約5分、東京メトロ東西線 竹橋駅1b出口より徒歩約5分

一橋大学のキャンパスは3つあります。メインキャンパスは国立キャンパスで、学部生は主にここで学ぶことになります。

・国立キャンパス(中央線国立駅下車南口から徒歩約10分)

自然環境に恵まれた美しいキャンパス

大学通りと呼ばれる通りを挟んで大学は東キャンパスと西キャンパスに分かれています。キャンパス自体はそこまで広くはなく、移動は楽に行えます。キャンパス内には雑木林が立ち並び、野鳥が生息していたりと自然豊かなキャンパスです。古い建物も多く、国立キャンパスの兼松講堂、旧門衛所、東本館は国登録有形文化財にも指定されています。

充実した図書館

全国の国立大学図書館では数少ない例ですが、中央図書館に図書、雑誌等資料を集中化しており、資料分散型図書館に比べて情報アクセスの利便性が格段に高くなっています。図書約208万冊、約17,100タイトルの雑誌、データベース約70種、電子ブック約250,000タイトル、電子ジャーナル約32,000タイトルを利用できます。

・小平国際キャンパス(中央線国分寺駅で西武多摩湖線に乗換え 一橋学園駅下車南口から徒歩約7分)

留学生用の寮やスポーツ施設など、国際交流を主体とした施設が置かれているキャンパスです。

・千代田キャンパス(東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線 神保町駅A8出口より徒歩約5分、東京メトロ東西線 竹橋駅1b出口より徒歩約5分)

学術総合センタービルを指すキャンパスです。商学部、経営管理研究科、法学研究科の一部授業が開講されています。また、一橋講堂があり、国際会議や学会、講演会が行われます。

一橋大学の就職・進学について

2023年度の主な就職先をまとめてみました。

主な就職先人数
楽天グループ25名
大和証券22名
EYストラテジー・アンド・コンサルティング12名
あずさ監査法人11名
東京都10名
アクセンチュア9名
三井住友信託銀行9名
みずほフィナンシャルグループ8名
明治安田生命保険8名
国際協力銀行6名
PwCコンサルティング6名
エヌ・ティ・ティ・データ5名
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー4名
SMBC日興証券4名
博報堂4名
デロイトトーマツコンサルティング3名
日本放送協会3名
三井住友銀行3名
厚生労働省2名
住友商事2名
日本生命保険2名
マッキンゼー・アンド・カンパニー2名
三菱UFJ銀行2名

学部ごとの内訳

商学部あずさ監査法人11、楽天グループ8、大和証券6、アクセンチュア5、みずほフィナンシャルグループ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、SMBC日興証券各4など。

経済学部大和証券16、明治安田生命保険8、楽天グループ7、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング各6、三井住友信託銀行5、みずほフィナンシャルグループ4など。

法学部東京都5、三井住友信託銀行4、国際協力銀行、楽天グループ、三井住友銀行各3、住友商事、三菱UFJ銀行、厚生労働省、日本生命保険、マッキンゼー・アンド・カンパニー各2など。

社会学部楽天グループ7、EYストラテジー・アンド・コンサルティング6、東京都、エヌ・ティ・ティ・データ各5、アクセンチュア、博報堂各4、日本放送協会、デロイトトーマツコンサルティング、国際協力銀行各3など。

商学部や経済学部はもちろん、大学全体として金融関係の就職が多いのが特徴です。学部ごとには以下のような傾向があります。商・経済学部はコンサル・金融関係、法学部は省庁・金融関係、社会学部は金融・メーカーとなっています。また、主な就職先としては三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループといった大手金融関連企業が挙げられます。金融以外では、アクセンチュア、PwC、デロイトトーマツ、マッキンゼーなど外資系コンサル会社への就職も挙げられます。総じて、大手企業への就職実績があり、特に金融関係は人気の就職先と言えます。

進学

進学については2割程度となっています。理系学部がないことが影響しているかもしれません。

偏差値と倍率

学部偏差値
法学部67.5
経済部65.0
商学部65.0
社会学部67.5
ソーシャル・データサイエンス学部67.5

偏差値は平均すると66.5となっています。偏差値が高いのが、法学部、社会学部、ソーシャル・データサイエンス学部の67.5となっています。経済学部と商学部は少し下がり65.0となっています。こちらの偏差値は前期試験のみをまとめたものになります。共通テストのボーダーについては、81~86%となっています。ボーダーについては偏差値が高い学部が高い割合になっていますが、大きな差はなく、どの学部でも85%程度の共通テスト得点率が目安になってきます。

倍率

一橋大学の2023年度前期試験の倍率をまとめました。

学部・学科倍率
法学部2.6
経済部(前期)2.8
商学部2.8
社会学部3.1
ソーシャル・データサイエンス学部(前期)2.5

最も倍率が高いのは社会学部で3.1倍となっています。一方、ソーシャル・データサイエンス学部は2.5倍と最も低い値となっています。新設学部ということが影響しているかもしれません。大学全体でみると、前期試験の倍率は2.76倍です。

一橋大学の攻略法(一般選抜)

【予告】平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度一橋大学入学者選抜における配点等について

入試方式

一般選抜(前期、後期)の他に学校推薦型選抜が実施されています。

後期日程は経済学部、ソーシャルデータサイエンス学部で実施されます。

配点について

一橋大学では学部ごとに細かい違いはありますが、一般的には個別学力試験の配点が大きくなっています。比率としては共テ:個別 = 3:7 もしくは 2:8 程度となっています。

前期日程

商学部(経営学科、商学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト505050505050300
個別学力検査110125230235700
合計26017528050285501000

経済学部(経済学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト353535353535210
個別学力検査110160260260790
合計14519529535295351000

法学部(法学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト405050404030250
個別学力検査120170180280750
合計16022023040320301000

社会学部(社会学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト202020902010180
個別学力検査180230130280820
合計20025015090300101000

ソーシャル・データサイエンス学部(ソーシャル・データサイエンス学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト4060または304030または604040250
個別学力検査100330230750
合計14060または3037030または60270401000

ソーシャル・データサイエンス学部による共通テストの配点は、地理歴史・公民から2科目用いる場合は上段の配点、地理歴史・公民から1科目用いる場合は下段の配点となります。

後期日程

経済学部(経済学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト353535303530200
個別学力検査400400800
合計353543530435301000

ソーシャル・データサイエンス学部(ソーシャル・データサイエンス学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト353035303535200
個別学力検査500300800
合計353053530335351000

対策

個別学力試験では記述問題を中心とした高レベルな問題が出題されます。レベルとしては国内トップの東京大学や京都大学にも劣らないくらいの難易度ですが、問題の特徴は類似したものが少なく、一橋独自の対策が必要です。特に、英語では絵を見て描写をするような独特な英作文の問題が出題されたり、世界史の論述では近代以降の社会経済史が出題されるなど、対策のためには一橋大学の過去問分析をした上で演習する必要があります。基本的な知識はもちろんのこと、体系的にその科目を理解して初めて論述できるような出題が多いため、日頃から学習した内容を言葉や文面で説明することは心がけましょう。

一橋大学については赤本(教学社)から「一橋の20ヵ年」シリーズが二次試験全ての科目で出版されているので20年分の過去問をやり込んで、傾向を理解し、自分の手で答案を作りきる練習をしていくのが良いです。さらに、学校や塾の先生に添削してもらい、採点者の目線で正しい答案作成ができているかを確認してもらうのがおすすめです。

共通テストの配点は全ての学部を通して相対的に低いですが、ボーダー得点率は80%を超えています。個別試験での負担を減らすことはもちろんのこと、一橋大学の入試では1点差で合格・不合格が分かれるので共通テスト対策も最低でも8割は取れるようしっかり行なっていこう。

一橋大学の攻略法(学校型推薦)

まずは配点についてです。一般入試と比較すると共通テストの配点はほとんど変わらないものの、二次試験では小論文、面接、推薦書、調査書、自己推薦書が課され、科目の試験はありません。比率については共通テストの割合が低い傾向にありますが、4:6〜3:7と一般入試と比べると共通テストの割合がやや高くなっています。共通テストは第1段階選抜として用いられ、同学部の一般選抜の受験者の上位258位(商学部、経済学部)、159位(法学部)、220位(社会学部)、60位(ソーシャル・データサイエンス学部)相当の得点以上であった者が合格になります。

商学部(経営学科、商学科)、ソーシャル・データサイエンス学部(ソーシャル・データサイエンス学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト505050505050300
第2次試験小論文250面接150推薦書、調査書40自己推薦書10450
合計750

経済学部(経済学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト454545354535250
第2次試験小論文300面接150推薦書、調査書40自己推薦書10500
合計750

法学部(法律学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト405050404030250
第2次試験小論文300面接150推薦書、調査書40自己推薦書10500
合計750

社会学部(社会学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト505050505050300
第2次試験小論文300面接120推薦書、調査書20自己推薦書10450
合計750

出願要件

一橋大学の学校型推薦は出願要件にかなり厳しい基準を設けています。以下のいずれか1つを満たす必要があります。

※簡略的に記載しています。学部によって求められる資格に若干の違いがあります。

英検1級、TOEFL iBT 93点以上、他

独検準1級、他

仏検準1級、他

中検準1級、他

日本数学オリンピックで予選通過(Aランク取得者)またはBランク上位者

応用情報技術者試験合格

日本情報オリンピックの予選Aランク取得者

統計検定2級合格(A評価以上)もしくは1級の統計数理合格

国際バカロレア資格授与

対策

まずは出願要件を満たすために、英検1級、数学オリンピック、その他該当する資格の取得が必要となってきます。出願要件を満たすと共に、共通テストの得点が高水準であることも第1次選抜で必要なので、共通テストも85%〜90%を目指していきましょう。ここまでが非常に困難な道のりですが、出願要件と共通テストを通過できればその後の第2次試験の合格の可能性はかなり高いと言えます。下記の学校型推薦の入試結果データをご覧ください。厳しい出願要件の影響により、出願者自体が少なく、下記令和5年度入試のデータを見ると志願者の時点で社会学部以外は定員割れを起こしていることが分かります。

令和5年度 学校型推薦データ

学部募集人員志願者倍率第1段階選抜合格者受験者合格者
商学部15120.8888
経済学部15100.7776
法学部1080.8332
社会学部10212.1111110
ソーシャル・データサイエンス学部540.8111
合計5555303027

※志願者数には無資格者も含まれます

第1段階選抜の共通テスト時点で学部によって差はありますが、半数程度に絞られているようです。その後の試験ではほとんどの受験者が合格しており、各学部0もしくは1人が不合格となっています。以上のことから、一橋大学の学校型推薦は出願自体がかなり厳しく、かつ、共通テストの結果も高水準を求められますが、それを突破すれば合格する確率がかなり高いと言えます。出願要件に当てはまる資格や実績を持っており、共通テストに自信がある人はチャレンジしてみてください。ただし、出願要件になっている資格はハードルが非常に高いため、基本的には一般受験で合格を目指していくのが主流となります。

まとめ

一橋大学は文系の最難関大学であり、入試難易度は東大や京大と同程度のレベルです。基礎〜応用までの勉強はもちろん、一橋大学独自の入試問題の傾向を理解し、徹底的に演習することで合格への道が開けていきます。就職においては金融関係を中心として有名企業への就職実績が目立つのが特徴です。また、2023年度に新設されたソーシャル・データサイエンス学部は文理融合したような学部で、分野横断的に学ぶことができます。

このような最新のトレンドもいち早く導入していく挑戦的な大学でもあるので、ハイレベルかつ新しいことにチャレンジしていきたい方はぜひ受験を検討していきましょう。

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