2024.05.31

九州大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

九州大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

九州大学に行きたいと考える入学希望の方も多いのではないでしょうか。しかし、どのような勉強方法や対策方法をすればいいのかわからないという受験生も多いと思います。そこで本ページでは、九州大学の入試方式や倍率などのデータをご紹介します。是非参考にしてみてください。

九州大学とは

九州大学は、旧帝大(東京大学・京都大学・東北大学・九州大学・北海道大学・大阪大学・名古屋大学)の1つであり、1911年に旧帝大としては4番目に創立されました。

旧帝大の偏差値はこちらです。

大学名偏差値
東京大学67.5~72.5
京都大学62.5~72.5
東北大学55.0~67.5
九州大学55.0~65.0
北海道大学50.0~65.0
大阪大学57.5~70.0
名古屋大学50.0~67.5

九州大学は指定国立大学法人として文部科学大臣から指定を受けており、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学であると認められています。また国際交流が非常に盛んであり、全学生の8人に1人が海外からの留学生です。国公立大学としては非常に珍しい「芸術工学部」が設置されており、芸術工学部がある大橋キャンパスはアジアにおける「先端デザイン拠点」として、特色のある研究・教育を展開しています。

九州大学の学部について

学部学科
文学部人文学科
教育学部
共創学部共創学科
法学部
経済学部経済・経営学科経済工学科
理学部物理学科化学科地球惑星科学科数学科生物学科
工学部電気情報工材料工応用化学化学工融合基礎工機械工航空宇宙工量子物理工船舶海洋工地球資源システム工土木工建築
芸術工学部環境設計インダストリアルデザイン未来構想デザインメディアデザイン音響設計
農学部生物資源環境学科
医学部医学科生命科学科保健学科(看護学・放射線技術科学・検査技術科学)
歯学部歯学科
薬学部創薬科学科臨床薬学科

先ほども触れた芸術工学部や、「創造的構想力」「国際コミュニケーション力」「課題検討力」「協働実践力」を養成することを目的とした共創学部といった他大学では見られない学部が設置されています。大学全体でみると研究面では、「脱炭素」「医療・健康」「環境・食料」の3つを最優先分野としています。水素エネルギーや遠隔医療による医療教育、先端的なスマート農業などに強みを持っていますので、これらの分野に興味がある生徒は要チェックです。教育学部では、学科はないのですが学科に準ずるものとして「教育学系」「教育心理学系」という2つがあります。同様に法学部も学科の区分がなく、カリキュラムに柔軟性があることが特徴です。

出典:九州大学HP

九州大学の学生数

大学院生も含めると現在は約19000人もの学生が在籍しています。学部生だけですと約11000人の学生が在籍しています。大学全体で見ると、男性の方が女性よりも2.3倍多いようです。特に工学部では男性が89.7%で女性が10.3%、理学部では男性が84.1%に対し女性が15.9%と男性の割合が非常に多いです。ただ、学部によってかなり差があり、医学部保健学科では男性18.9%女性81.1%と女性の割合が多く、男性のおおよそ4倍になっています。

出典:九州大学HP

九州大学の所在地

九州大学にはキャンパスが4つあります。

伊都キャンパス病院キャンパス大橋キャンパス筑紫キャンパス
文学部 教育学部 法学部経済学部 理学部 工学部農学部 共創学部 
医学部 歯学部 薬学部芸術工学部 の1年次
JR「九大学研都市駅」からバスで15分
医学部 歯学部 薬学部の2年次以降
JR「吉塚駅」下車 徒歩15分地下鉄箱崎線「馬出九大病院前駅」下車 徒歩5分
芸術工学部の2年次以降
西鉄「大橋駅」から徒歩5分
工学部融合基礎工学科の3年次以降
JR「大野城駅」から徒歩5分

メインキャンパスは、「伊都キャンパス」になります。文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・工学部・農学部・共創学部や医学部・歯学部・薬学部・芸術工学部の1年次の学生が利用しています。

伊都キャンパスは、センターゾーン・ウエストゾーン・イーストゾーンの3つのゾーンがあります。センターゾーンは、大学のメインエントランスになっており、学部1年生が全学教育である「基幹教育」を学ぶ施設や、事務局等があります。ウエストゾーンは、工学系の教育研究棟や実験施設、理学系、数理学系、農学系教育研究棟などがあります。イーストゾーンは、国内の大学では最大規模の図書館や人文社会化学系の施設群があります。

「病院キャンパス」は医学部・歯学部・薬学部の2年次以降の学生が利用します。福岡の中心部にあり、九州大学病院が隣接しています。

「大橋キャンパス」は芸術工学部の2年次以降の学生が利用します。

「筑紫キャンパス」は工学部融合基礎工学科の3年次以降の学生が利用します。

出典:九州大学HP

九州大学の就職・進学について

2023年度の主な就職先をまとめてみました。

主な就職先人数
九州大学病院99名
九州大学57名
九州電力40名
福岡県32名
日産自動車27名
福岡市26名
日立製作所25名
三菱重工業21名
川崎重工業20名
トヨタ自動車17名
富士通17名
福岡銀行16名
アクセンチュア15名
トヨタ自動車九州15名
三菱電機14名
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング13名
マイクロンメモリジャパン12名
東京エレクトロン12名
東ソー12名

九州大学病院、九州電力、福岡県、福岡市といった地元の企業、地方公共団体への就職が多いです。もちろん、日産自動車や日立製作所といった国内の有名企業への就職も目立ちます。また文系の学部は理系の学部よりも公務員に就職する人数が多いです。就職支援としては、キャリア支援、就職支援をサポートする資料や書籍などを就職情報室に設置し、学生が自由に閲覧できるよう整備しています。また、キャリア教育の一環として、基幹教育総合科目にて「キャリア形成基礎」を開講しており、自己分析と自己理解によって、就職後のキャリア形成について考える機会を提供していますまた2023年度のデータでは、卒業生のうち約52%の学生が大学院等へ進学をしており、九州大学大学院はもちろんですが、東京大学大学院や京都大学大学院など旧帝大の大学院への進学実績もあります。

出典:大学通信ONLINE

偏差値と倍率

偏差値

偏差値は平均すると60前後になっています。偏差値が一番高いのが、医学部 医学科の67.5となっています。こちらの偏差値は前期試験のみをまとめたものになります。共通テストのボーダーについては、74~76%の学部・学科が多いです。その中でも、医学部保健学科看護についてはボーダーが66%になっており、他学部と比較しても、ボーダーが少し下がります。また偏差値が55の農学部はボーダーが72%で、理系の学部の中では目指しやすい学部と言えるでしょう。

出典:Kei-Net

倍率

九州大学の2023年度前期試験の入試倍率をまとめました。

学部倍率
文学部2.2
教育学部2.2
共創学部2.6
法学部2.5
経済学部2.2
理学部2.2
工学部2.2
芸術工学部2.9
農学部1.9
医学部 医学科2.3
医学部 保健学科1.9~2.8
医学部 生命科学科2.6
歯学部2.6
薬学部 臨床薬学科2.3
薬学部 創薬科学科3.2

最も倍率が高い学部・学科が、芸術工学部-インダストリアルで、2022年度の2.4倍から3.6倍に増加となりました。また同じ芸術工学部でも、未来構想デザインでは2022年度3.8倍から1.3倍へと大幅な減少が見られました。こちらは、昨年度の高い倍率からの反動と推測されます。大学全体でみると、前期試験の倍率が2.2倍、後期試験の倍率が3.0倍です。

出典:代々木ゼミナール入試情報

九州大学の攻略法

入試方式

一般入試(前期・後期)の他に、共創学部・芸術工学部・歯学部は学校推薦型選抜が実施されています。総合型選抜は薬学部以外の学部で実施されています。

配点について

まず各学部の前期試験の配点は以下の通りです。

共創学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト100(200)100(200)10025525
個別学力検査3004003001000
合計100(200)400(200)500253001525

共創学部については、共通テストの理科(理科基礎/理科応用)、社会(地歴/公民)の中から合計3科目受験し、合計300点の点数を200点に換算して利用するという形をとっています。

文学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト505050505025275
個別学力検査150100100150500
合計2001501505020025775

教育学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1001001005010025475
個別学力検査200200200600
合計30010030050300251075

法学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト5010050505050350
個別学力検査200200200600
合計2501002505025050950

経済学部(経済・経営学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト50200505010025475
個別学力検査200200200600
合計25020025050300251075

経済学部(経済工学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査150300300750
合計25050400100400251225

理学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査250250200700
合計10050350350300251175

医学部(医学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査250250200実施する700
合計10050350350300251175

医学部(生命科学科)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査250250200100800
合計10050350350300251001275

医学部(保健学科・看護学専攻)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査100100200400
合計1005020020030025875

医学部(保健学科・放射線 技術科学専攻)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010050500
個別学力検査250250200700
合計10050350350300501200

医学部(保健学科・検査技 術科学専専攻)

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査250250200700
合計10050350350300251175

歯学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010025475
個別学力検査250250200実施する700
合計10050350350300251175

薬学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010050500
個別学力検査250250200700
合計10050350350300501200

工学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010070520
個別学力検査250250200700
合計10050350350300701220

芸術工学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト10010010010010050550
個別学力検査250250250750
合計100100350350350501300

農学部

試験国語社会数学理科外国語情報小論文面接合計
共通テスト1005010010010050500
個別学力検査250250250750
合計10050350350350501250

九州大学は学部によって配点が異なるので必ず自分が受験する学部の配点をチェックしましょう。共通テストよりも2次試験の配点が高いところが多いです。医学部(保健学科・看護学専攻)は共通テストの方が配点が高いので注意しましょう。

九州大学の英語は、大問5題構成になっており、3題が長文読解、2題が自由英作文の出題になっています。短時間で量をこなすことが求められるため日頃から時間を意識して問題演習に取り組みながら、自分自身でしっかり考え、考えたことを記述できるようにしましょう。また自由英作文が2題出題されますので、しっかりと練習を積むことが必要です。近年ではグラフ説明問題が頻出なので、似たような傾向の問題演習で慣れておきましょう。

理系数学は、150分で大問5題構成になっており、1題あたり30分が目安になります。全体的な難易度については標準的な問題が多いです。数学IIIの微分・積分(特に積分)、数学Aの整数分野に関して頻出事項なので優先的に確認していくべきでしょう。また医学部医学科の数学についても他の理系学部と同じ問題が出題されています。試験時間も150分で他学部と変わりません。

文系数学については大問4題構成になっており、微分積分の分野が必ず出題されています。全体的に基本的、標準的な問題が多く、難解な問題があまり出題されません。ですので、点数の差が開きにくいことからも簡単なミスを犯さないことが重要です。日々の演習の中でも、ケアレスミスを無くすこと、正確性を意識して取り組んで欲しいです。

国語については、大問4題の構成になっており、学部ごとに出題傾向が異なります。教育学部、法学部、経済学部(経済・経営学科)は現代文2題、古文1題、漢文1題、文学部は現代文1題、古文2題、漢文1題、経済学部(経済工学科)は現代文2題の出題です。現代文については、評論文が出題され、解答量が多いです。論理的に読解する力はもちろんですが、素早く記述する力が求められているので、時間を計りながら、短時間で簡潔に記述する練習をしましょう。

また推薦については、学校推薦型が実施されています。学校推薦型については、共創学部・歯学部・芸術工学部(インダストリアルデザイン、未来構想デザイン)で実施されています。共創学部・歯学部については現役生のみ、芸術工学部(インダストリアルデザイン、未来構想デザイン)については1浪生まで受験可能です。1次選抜では、提出された書類や志望理由書の総合評価によって選抜が行われます。未来構想デザインでは1次選抜の中で作文と自己活動評価書が課されており、作文は「未来構想デザインコースの学びを通して将来取り組みたいこと」がテーマになっています。

2次選抜での配点は以下の通りです。

各試験に対して共通テスト以外の筆記試験がないので、九州大学の2次試験レベルが厳しい方でもチャンスがあります。

共創学部の面接ではプレゼンテーションが課されています。また英語資格(英検CSE2300以上等)取得の場合、共通テスト英語の点数が満点に換算されます。

芸術工学部未来構想デザインでは小論文が課されているのですが「日本語と英語の長文を適切に読み解くことができる読解力、考察を組み立てることができる論理的な思考力、数理的な解析の力」が問われる内容になっています。

総合型選抜については、薬学部以外の学部で実施されています。選抜方法や配点が学部によってかなり異なるので自分が受ける学部の内容は必ずチェックしましょう。試験内容については、書類・小論文・英語試験・課題探究試験・面接・実技・共通テストなど学部によってさまざまな試験内容になっています。各学部について1次選抜では提出された書類や志望理由書の総合評価で選抜が行われます。なお、法学部では英語能力試験の成績、歯学部では大学で行われる課題講義に対するレポートが評価対象に含まれます。

また共創学部と教育学部以外は共通テストが課され、それ以外の選抜方法が学部や学科ごとに異なります。例えば、文学部や経済学部では共通テストの他に小論文と面接、理学部の物理学科や数学科では共通テストの他に課題探究試験と面接、芸術工学部芸術工学科では一部の学科を除いて共通テストと実技が課されます。

さらに各試験の配点も学部や学科ごとに異なります。例えば、先ほど紹介した文学部と経済学部では、文学部は小論文50点、面接50点、共通テストが100点なのに対して、経済学部では小論文300点、面接は点数ではなくA,B,Cの3段階評価、共通テストが950点です。経済学部の共通テストは950点満点がそのままの点数になりますが、文学部の共通テストは950点満点が100点に換算されます。

その他にも950点満点が200点に換算されたり、520点満点が100点に換算されたりと学部や学科ごとに異なります。

また、共通テストの教科ごとの配点も学部学科によって異なります。特徴的なのは、理学部の生物学科は国語と社会が必要ありません。数学理科外国語情報での受験が可能です。配点は数学理科外国語が200点で情報が50点です。

その他にも情報の配点が低い学部学科が多い中で、工学部の電気情報工学科は950点満点のうち情報が250点を占めます。数学や理科と同じ配点です。

https://www.kyushu-u.ac.jp/f/52946/%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%97%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A5%E5%AD%A6%E8%80%85%E9%81%B8%E6%8A%9C%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%A5%E5%AD%A6%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E5%80%8B%E5%88%A5%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E7%AD%89%E3%81%AE%E9%85%8D%E7%82%B9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%88%E4%BA%88%E5%91%8A%EF%BC%89.pdf

共創学部と教育学部については、共通テストを課さない方式となっています。共創学部では、1次選抜で書類による選抜が行われます。2次選抜ではレポート作成、グループ討論、小論文が課されています。教育学部では、1次選抜では書類による選抜、2次選抜ではプレゼンテーション、面接が行われます。両学部共に筆記試験がないので、九州大学の2次試験レベルが厳しい方でもチャンスがある試験になっています。

出典:九州大学HP

まとめ

九州大学には、共創学部・芸術工学部といった他大学では見られないユニークな学部・学科があります。大学全体の偏差値は約60前後が多く、共通テストのボーダーラインは74〜76%の学部・学科が多いです。また地元企業(九州電力など)や地元の地方公共団体(福岡県、福岡市)への就職が多いです。全体的に共通テストよりも2次試験の配点が高い傾向があります。基本的に全科目で記述が必須になっているので、ただ知識を入れるというよりは、なぜそうなるのか根拠を考え、自分で説明できる力を身につけることが必要になります。また、総合型選抜・学校推薦型選抜が充実しており、九州大学の2次試験が難しいと感じている方にチャンスがある試験となっています。総合型では、共創学部と教育学部以外の学部では、共通テストが課されています。総合型選抜や学校推薦型選抜での受験を検討している方はまず共通テストで点数が取れるように勉強を進め、早いうちから1次選抜に向けた書類・志望理由書の準備を始めると良いでしょう。

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