2024.06.04

筑波大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

筑波大学とは?偏差値や就職実績、2次試験対策を紹介します!

筑波大学に行きたいと考える入学希望の方も多いのではないでしょうか。しかし、どのような勉強方法や対策方法をすればいいのかわからないという受験生も多いと思います。そこで本ページでは、筑波大学の入試方式や倍率などのデータをご紹介します。是非参考にしてみてください。

筑波大学とは

筑波大学は茨城県つくば市にある国立大学です。筑波大学は、お茶の水女子大学、千葉大学、神戸大学、横浜国立大学と共に、旧帝大に次いで難しく人気のある大学です。最近では上記の大学のそれぞれの頭文字をとって「TOCKY」と呼ぶこともあります。

TOCKYの偏差値を比較すると以下の通りです。

大学名偏差値
筑波大学55.0~67.5
お茶の水女子大学55.0~67.5
千葉大学50.0~72.5
神戸大学55.0~67.5
横浜国立大学55.0~67.5

※一般入試前期日程の偏差値を参照しています。河合塾keinet参照

歴史

筑波大学は1973年に創設されました。その前身となる師範学校ができたのは1872年なので、その頃から数えると約150年の歴史をもつ大学です。師範学校から東京師範学校、東京教育大学と名前を変えていき、筑波地区への移転とともに現在の筑波大学が設立されました。

理念

創設当初から「開かれた大学」を理念としています。国際性を豊かに、かつ、社会の変化に柔軟に対応していき、教育や研究を発展させていく姿勢を示しています。この理念を元に発展を続け、現在では国内外から高い評価を受け、多くの優秀な人材を輩出してきました。また、歴史を重んじながらも、スローガンには「IMAGINE THE FUTURE」を掲げており、自由にやりたいことができる風潮があります。

豊富な学食

筑波大学は学食が多く、食堂だけでも9件もあります。その中にはカレー、中華、ハラル、うどん・そばなどがあり、種類が豊富です。さらに、中央図書館のスターバックスをはじめとしたカフェや喫茶店、「筑波デミ」などのレストラン、9つのパン販売所、キッチンカーもあります。これだけあったら毎日食には飽きずにキャンパスライフを送れそうですね。

筑波大学の学群について

学部学科
人文・文化学群人文学類比較文化学類日本語・日本文化学類

社会・国際学群
社会学類国際総合学類
人間学群教育学類心理学類障害科学類
生命環境学群生物学類生物資源学類地球学類
理工学群数学類物理学類化学類応用理工学類工学システム学類社会工学類総合理工学位プログラム
情報学群情報科学類情報メディア創成学類知識情報・図書館学類
医学群医学類看護学類医療科学類
体育専門学群
芸術専門学群
グローバル専門学群地球規模課題学位プログラム
総合学域群第1類第2類第3類

Kei-Net, https://search.keinet.ne.jp/1085/outline/department

学群・学類という枠組

筑波大学は他の大学の学部・学科と違い、学群・学類と言う分け方をしています。筑波大学は「開かれた大学」という理念があるため、学部・学科より広い枠組として学群・学類と分けているようです。例えば、他の大学では国際学部、社会学部と分かれているのに対して、筑波大学では社会・国際学群と2つを合わせたようなまとまりになっています。さらに、社会・国際学群の社会学類には「政治学」「経済学」「社会学」「法学」という4つの専門科目が含まれているため、社会学類の学生はこの中からどの科目を主専攻にするかを決めることができます。このように、一般的な大学の学部・学科制より幅広く学べるような特徴があります。ただ、学部と学群、学科と学類はそれぞれ対応している近いものだと思って大丈夫なので、「大学では心理学を学びたい!」という受験生は人間学部の心理学類を選ぶ、というように決めていけば良いと思います。

総合学域群

筑波大学には総合選抜というものがあり、この選抜に合格した学生は1年次は総合学域群に所属します。名前的に総合「型」選抜と似ていますが、この総合選抜は一般入試の中の入試方法となっています。第1類は文系、第2類は物理重視の理系、第3類は理系全般、というような大まかな括りはあるものの、2年次以降に所属する学群・学類を1年次の勉強次第で決めることができます。1年次は広く教養的に学んでいくので、大学受験時に「将来やりたいことがはっきりと決まってない」「自分に何が向いてるのか、何に興味があるか分からない」という高校生にはおすすめな学群です。

体育専門学群、芸術専門学群といったユニークな学群

筑波大学と同じくらいの偏差値の大学には珍しいですが、筑波大学には体育専門学群と芸術専門学群があります。その名の通り、体育専門学群では体育・スポーツ・健康について学び、卒業生は保健体育教員、地域体育保健指導者、スポーツ・コーチ、報道・出版関係で活躍しています。芸術専門学群では美術・デザインについて専門的に学び、卒業後は大学院に進学したり、作家やデザイナー、その他美術・デザイン関係の企業に就職しています。このように、体育や芸術といった学群の学生と交流する機会があり、逆に体育・芸術専門学群の学生は理工、国際関係など多様な専門分野の学生と交流できるのは総合大学としての筑波大学の大きな魅力でしょう。

筑波大学の学生数

令和5年5月1日データ

学群学生数男女比率
人文・文化学群958男性:44.4%女性:55.6%

社会・国際学群
676男性:53.1%女性:46.9%
人間学群520男性:39.0%女性:61.0%
生命環境学群1,044男性:54.4%女性:45.6%
理工学群2,176男性:83.8%女性:16.2%
情報学群1,037男性:75.0%女性:25.0%
医学群1,285男性:46.1%女性:53.9%
体育専門学群1,041男性:71.8%女性:28.2%
芸術専門学群440男性:21.8%女性:78.2%
グローバル専門学群23男性:34.8%女性:65.2%
総合学域群435男性:77.0%女性:23.0%
合計9,635男性:61.6%女性:38.4%

Kei-Net, https://search.keinet.ne.jp/1085/outline/department

全体としては1万人程度の学生が在籍しています。最も学生数の多い学群は理工学群で2,176人と他の学群と2倍以上差をつけて人数が多くなっています。大学全体の男女比は男性が約60%、女性が約40%になっています。他の大学と同様に、工学系である理工学群と情報学群では男性の比率が高く、男女比4:1になっています。また、総合学域群と体育学群も男性が多く、男女比7:3になっています。ちなみに総合学域群は1年次のみの在籍で、2年次からは各学群に進級します。一方で、人間学群と芸術専門学群、グローバル専門学群では女性の比率が高い傾向があります。

大学の所在地

筑波キャンパス東京キャンパス文京校舎
全ての学群
☆アクセス・つくばエクスプレス「つくば駅」バスで15-20分
・JR「土浦駅」西口3乗り場から「つくばセンター」行バスで30分、つくばセンター6番乗り場で「筑波大学循環(右回り/左回り)」に乗り換え15-20分
・JR「荒川沖駅」西口4乗り場から「つくばセンター」行バスで30分、つくばセンター6番乗り場で「筑波大学循環(右回り/左回り)」に乗り換え15-20分西口からタクシーで20-25分
・JR「ひたち野うしく駅」東口1乗り場から「つくばセンター」行バスで35分、つくばセンター6番乗り場で「筑波大学循環(右回り/左回り)」に乗り換え15-20分
ビジネス科学研究科人間総合科学研究科教育研究科経営・政策科学研究科システム情報工学研究群
☆アクセス丸ノ内線「茗荷谷(みょうがだに)」駅下車「出口1」徒歩5分程度

筑波大学HP, https://www.tsukuba.ac.jp/about/campus-tour-top/

筑波キャンパス

筑波キャンパスは、日本最大の最先端研究開発拠点である筑波研究学園都市にあります。敷地面積は約2.60平方キロメートル(東京ドーム約55個分)もあり、これは九州大学伊都キャンパスの約2.62平方キロメートルに次いで国内2位の広さです。ちなみにキャンパス以外の面積を含めた広さは広大な森林や研究施設のある北海道大学が1位ですが、単純なキャンパスのみの比較になると筑波キャンパスが2位にランクインします。森林公園のような景観ですが、キャンパス内には最先端の研究施設も立ち並んでいます。正門がないのも特徴のひとつで、大学の理念にある「開かれた大学」を表した開放的なキャンパスです。

筑波大学HP、https://www.tsukuba.ac.jp/about/campus-tour-top/

東京キャンパス文京校舎

東京キャンパスはかつての東京教育大学の跡地にあり、その一部は文京区の教育の森公園になっています。2011年には放送大学と共同で文京校舎が整備され、生涯学習のためのキャンパスとして位置付けられています。そのため、夜間社会人大学院であるビジネス科学研究科など、社会人学生のためのキャンパスとなっています。

筑波大学の就職・進学について

主な就職先

2023年度

主な就職先人数
筑波大学附属病院64名
筑波大学25名
ヤフー23名
NEC18名
日立製作所18名
アクセンチュア17名
茨城県庁16名
東京都庁16名
NTTデータ15名
野村総合研究所13名
富士通12名
ソフトバンク11名
楽天グループ10名
国立研究開発法人産業技術総合研究所10名
アステラス製薬9名
ソニーセミコンダクタソリューションズ9名
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構9名
国土交通省9名
NECソリューションイノベータ8名
茨城県厚生農業協同組合連合会 茨城西南医療センター病院8名
清水建設8名
東京大学8名
KDDI8名

大学通信ONLINE, https://univ-online.com/rank2/y2023/kanto/r1920121/

筑波大学の学部卒業生は40.6%が就職しており、44.1%が進学しています。残りの12%は臨床研修医やその他の進路を選択しています。主な就職先を見てみると、最も多いのは筑波大学附属病院や筑波大学となります。NTTデータやヤフーといったIT企業、日立や富士通、NECといったメーカーへの就職が多くあります。コンサルティング企業についてはアクセンチュアが多いようです。また、茨城県庁や東京都庁など公務員への就職も目立ちます。一方、筑波大学には経済学部のような学群・学類が設置されてないので、金融系への就職は控えめのようです。このように全体で見てみてみると、様々な業界での有名企業への就職実績があります。進学については理工学群、生命環境学群学生は約80%が進学しており、他の学群に比べると進学者が多い傾向にあります。

筑波大学HP, https://syushoku.sec.tsukuba.ac.jp/career/?page_id=303

偏差値と倍率

偏差値

一般入試前期日程の偏差値をまとめてみました。

学部・学科偏差値
総合選抜入試文系 62.5理系 55.0〜60.0
人文・文化学群62.5
社会・国際学群65.0〜67.5
人間学群62.5〜65.0
生命環境学群55.0〜57.5
理工学群57.5〜60.0
情報学群57.5〜60.0
医学群 医学類65.0
医学群 看護学類、医療科学類55.0〜57.5
体育専門学群(※)
芸術専門学群(※)

(※)河合塾kei-net参照。

体育専門学群、芸術専門学群は二次試験が小論文や実技試験のみのため偏差値は記載していません。偏差値は平均すると60程度になっています。偏差値が一番高いのが、社会・国際学群の社会学類の67.5となっています。一般的には医学部医学科が一番高いことがほとんどなので驚きですね。共通テストのボーダーについては、75%〜80%程度の学群・学類が多いです。ボーダーについては医学群医学類の一般枠が最も高く、84%となっています。反対に、医学群看護類は71%で他の学群・学類より低くなっています。体育専門学群や芸術専門学群といった二次試験が実技の学群も共通テストの点数が75%程度必要なことには注意しておきましょう。

倍率

一般入試前期日程の倍率をまとめてみました。

学部・学科倍率
総合選抜入試文系 2.5理系 2.1〜4.0
人文・文化学群2.5〜2.7
社会・国際学群2.7〜4.4
人間学群2.7〜4.4
生命環境学群2.4〜3.7
理工学群2.3〜4.8
情報学群2.5〜3.2
医学群 医学類一般枠 2.3地域枠【全国】0.9地域枠【茨城】5.8
医学群 看護学類、医療科学類2.6〜2.9
体育専門学群2.8
芸術専門学群2.7
合計2.9

Kei-Net, https://search.keinet.ne.jp/1085/general/exam_result

大学全体でみると、前期試験の倍率は2.9倍です。最も倍率が高いのは社会・国際学群、社会学類と人間学群、心理学類の4.4倍です。最も倍率が低いのは総合選抜入試理系Ⅰの2.1倍ですが、募集人数が比較的多いのが影響してそうです。医学群医学類の地域枠【全国】については0.9倍で定員割れしていることになりますが、その前年度の倍率は6倍なので「受験すれば誰でも合格」という訳ではないので注意しておきましょう。ちなみにこの「受験者が8人に対して、合格者が9人」となっているのは地域枠【茨城】の受験生が併願先としての地域枠【全国】に合格となった方がいたため、受験者数より合格者の人数が多くなっています。全体的にどの学群も志願者が多く、倍率が高い傾向にあります。そのため、これから説明する入試方式や各学群の配点などを押さえてしっかり対策していくことが必要です。

筑波大学の攻略法

入試方式について

一般選抜(前期日程、後期日程)の他に、総合型選抜、学校推薦型選抜、グローバル選抜があります。総合型選抜はアドミッションセンター(AC)入試と研究型人材入試、国際科学オリンピック特別入試に分かれています。グローバル選抜については留学生や帰国生徒向けの入試です。一般選抜の中に「総合選抜入試」がありますが、これは総合型選抜ではなく総合学域群の一般入試なので注意しておきましょう。

一般入試の攻略法

配点について

一般入試前期日程の配点をまとめました。学群・学類ごとに違いがかなりあるので筑波大学志望の受験生は必ず志望する学群・学類の配点を確認しておきましょう。

前期日程

総合選抜 文系

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20020020010020050950
個別学力検査500(500)(500)5001500
合計700200(500)20(500)100700502450

共通テストでは地歴公民から2科目個別学力検査では「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「倫理」「数学ⅠAⅡBC」から1科目を選択

総合選抜 理系Ⅰ、理系Ⅱ

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査5005005001500
合計200100700700700502450

総合選抜 理系Ⅲ

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査6004005001500
合計200100800600700502450

人文・文化学群 人文学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20020020010020050950
個別学力検査6006006001800
合計800800200100800502750

共通テストでは地歴公民から2科目

人文・文化学群 比較文化学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト180120606018030630
個別学力検査4004004001200
合計5805206060580301830

共通テストでは地歴公民から2科目

社会・国際学群 社会学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20020020010020050950
個別学力検査(800)(800)(800)8001600
合計200(1000)200(1000)200(1000)1001000502550

共通テストでは地歴公民から1科目

個別学力検査では「国語」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「数学ⅠAⅡBC」から1科目を選択

社会・国際学群 社会学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20020020010020050950
個別学力検査(800)(800)(800)8001600
合計200(1000)200(1000)200(1000)1001000502550

共通テストの社会は地歴公民から1科目、数学は「数学ⅠA」「数学Ⅰ」「数学ⅡBC」から1科目を選択

個別学力検査では「国語」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「数学ⅠAⅡBC」から1科目を選択

社会・国際学群 国際総合学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト200200200200200501050
個別学力検査(800)(800)(800)8001600
合計200(1000)200(1000)200(1000)1001000502650

共通テストの社会は地歴公民から1科目

個別学力検査では「国語」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「数学ⅠAⅡBC」から1科目を選択

人間学群 教育学類、心理学類、障害科学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト10010010010010030530
個別学力検査(265)(265)(265)(265)265530
合計100(365)100(365)100(365)100(365)365301060

共通テストの社会は地歴公民から1科目

個別学力検査では「国語」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「数学ⅠAⅡBⅢC」「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目を選択

生命環境学群 生物学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト1909519019019045900
個別学力検査300300300900
合計19095490490490451800

個別試験では「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目

生命環境学群 生物資源学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト18018018018018050900
個別学力検査(地理150)300300もしくは(150)300900
合計180180(330)300480(330)380501850

個別試験では①「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目を選ぶか、②「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目と「地理」の2科目、の2パターンがある

生命環境学群 地球学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査(地理200)400400もしくは(200)3001100
合計200100(200)600600(400)500502050

個別試験では①「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目を選ぶか、②「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目と「地理」の2科目、の2パターンがある

理工学群 数学学類、物理学類、化学類、応用理工学類、工学システム学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査5005005001500
合計200100700700700502450

個別試験では「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目

理工学群 社会工学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査5005001000
合計200100700200700502050

共通テストでは理科から1科目

情報学群 情報科学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト2001002002002001001000
個別学力検査7005004001600
合計2001009007006001002600

個別試験では「物理」「化学」「生物」「地学」から2科目

情報学群 情報メディア創成学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト2001002002002001001000
個別学力検査400400800
合計200100600200600501800

医学群 医学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査300300300適性試験300面接2001400
合計200100500500500505002350

医学群 看護学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト200①200②100200①100②20020050950
個別学力検査(200)(200)300面接300800
合計200(400)①200②100200①100(300)②200(400)500503001750

共通テストは社会2科目理科1科目のパターン①、社会1科目理科2科目のパターン②のどちらかを選択する。

個別試験は「現代文」「物理」「化学」「生物」の中から1科目を選択する

医学群 医療科学類

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010020020020050950
個別学力検査200200200面接200800
合計200100400400400502001750

体育専門学群

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010010010020040740
個別学力検査実技640論述100740
合計200100100100200407401480

共通テストは社会、理科それぞれ1科目ずつを選択

芸術専門学群

試験国語社会数学理科外国語情報小論文等配点合計
共通テスト20010010010020030730
個別学力検査実技730730
合計200100100100200307301460

https://ac.tsukuba.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/fb17d66df00719ec95473a9cbc944d75.pdf

対策

記述をメインにした難易度の高い入試

筑波大学の二次試験では全ての科目で記述問題が出題され、その難易度も高いです。英語であれば、長文読解の中で内容説明についての記述問題があったり、大問3つのうち1つは自由英作文になっています。数学では証明問題が頻出であったり、国語は記述問題がほとんどが「〇〇について説明せよ」です。他にも、日本史と世界史は全ての大問で5個前後のキーワードを用いてあるテーマについて論述する問題が出題されたり、地理や倫理もほぼ全てが記述問題です。

理科についても記述がメインで、計算問題や知識問題も出題されますが基礎の内容が多いため、差をつけるためには論述対策が必須です。このように、どの科目でも記述の分量が圧倒的に多く、答えの結果が合うだけでは点数になりません。日頃から用語を暗記するだけでなく、その説明を行うように心がけたり、理系科目であれば「なぜその解法で解くのか?」などを明らかにしながら答案を作成してみると良いでしょう。また、過去問演習などで作成した答案は必ず塾や学校の先生に添削してもらい、どうしたら点数に繋がっていくかをアドバイスしてもらうようにしましょう。

筑波大学の攻略法(総合型選抜)

筑波大学の総合型選抜はアドミッションセンター(AC)入試と研究型人材入試、国際科学オリンピック特別入試に分かれています。

学群・学類ごとに実施される入試が異なるのでまずはその確認をしていきましょう。

☆AC入試

人文・文化学群

・人文学類

・比較文化学類

・日本語・日本文化学類

生命環境学群

・生物学類

理工学類

・数学類

・物理学類

・化学類

・応用理工学類

・工学システム学類

・社会工学類

情報学群

・情報科学類

・情報メディア創成学類

・知識情報・図書館学類

医学群

・医学類

・看護学類

・医療科学類

体育専門学群

芸術専門学群

☆研究型人材入試

医学群 医学類

☆国際科学オリンピック特別入試

理工学類

・物理学類

・化学類

情報学群

・情報科学類

・情報メディア創成学類

これらの学群・学類で総合型選抜が行われていますが、比率的には理系学部の募集が多いようです。特に、社会・国際学群と人間学群では総合型選抜が行われてないので一般入試か学校型推薦で受験することがある点には注意しておきましょう。

AC入試

AC入試は「問題意識を持って、自ら学び、自ら考え、よりよく問題を解決する資質や能力」を身につけた活動的な学生を選抜する入試です。

具体的な選考方法は以下の通りです。

(1)第一次選考

自己推薦書(これまでに主体的かつ継続的に取り組んできた活動や研究の内容をもとに、自分の「問題発見・解決能力」を提示し、筑波大学でどのように学びたいのかを具体的に記述する)、志望理由書(志願の理由を800文字以内で所定の様式に記述する)

(2)第二次選考

面接・口述試験(30分程度、一次合格者のみ実施)

また、知っておきたい出願要件には以下のようなものがあります。

・共通テスト受験の必要なし

・評定基準なし

・推薦入試、一般入試と併願可能(ただし、 国際科学オリンピック特別入試、国際バカロレア特別入試、海外教育プログラム特別入試、研究型人材入試とは併願できない)

一般入試や推薦入試と併願可能です。

対策

まず、大前提として筑波大学に進学したい意欲が強いことが必要です。AC入試では志望理由書を800字以内で書いたり、面接でも志望理由は聞かれるのでここは熱意を持って答えられるようにしておきましょう。さらに、高校生活で「主体的かつ継続的に取り組んだ活動や研究」を行った学生をAC入試では求めています。活動や研究については例えば、情報学群・情報学類志望であれば「X(Twitter)エゴサーチソフトの開発」だったり、人文文化学群人文学類であれば「留学経験から感じたアメリカ英語の発音について」など、自分の興味に基づいてテーマを設定して、研究を進めていく必要があります。テーマの設定だけでなく、目的に対してどうアプローチしたか、どのような考察をしたか、筑波大学でその活動・研究をどのように発展させたいかの展望などをまとめていきましょう。

また、ただ研究活動を行うだけでなく、それを自己推薦書や面接で分かりやすく伝える技術も必要です。これについては塾や学校の先生に何度も添削や面接練習をしてもらい、改善していくことが大切です。以上のように、高校時代に取り組んだ活動や研究で評価される入試方式なので、高校生活の早い段階から対策を進めていきましょう。具体的には高校1、2年制の頃から活動や研究自体は始めていき、同時にその内容をレポートにまとめていくと良いでしょう。

筑波大学の攻略法(学校推薦型選抜)

筑波大学の学校推薦型選抜は全ての学群・学類で実施されます。まずは入試の特徴と出願資格を確認していきましょう。

入試の特徴と出願資格

入試の特徴

ほとんどの学類では面接と小論文があります。

以下に例外をまとめました。

・人間学群 心理学類:面接と小論文に加えて、共通テストを課す

・医学群 医学類:小論文と適正試験を課す

・体育専門学群:面接と小論文に加えて、実技試験を課す

・芸術専門学群:面接と実技試験を課す

また、一部の学類では英語資格検定試験の結果を利用することが可能です。

CEFRレベルのB1(社会・国際学群国際総合学類はB2、医学部医学類はC1)相当以上のスコアで総合評価に反映される形です。

人間学群・心理学類の共通テスト配点は以下の通りです。

https://ac.tsukuba.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/fb17d66df00719ec95473a9cbc944d75.pdf

推薦要件

推薦要件を以下にまとめました。

下記の(1)〜(3)のいずれかを満たしていれば出願可能です。

(1)評定

出願基準は学群・学類によって異なりますが、大まかに分類すると以下の3つに分けられます。

①評定平均を問わないが、スポーツにおいて目覚ましい実績を挙げた者:体育専門学群

②評定平均4.0以上:情報学群知識情報・図書館学類

③評定平均4.3以上(学習成績概要A段階(4.3-5.0)):その他の学群・学類

なお、以下の(2)(3)のように筑波大学の個別学力検査等に合格できる程度以上の学力を有すると高等学校長が認めた者、学群の指定する分野において特に優れた能力を持つ者、国際的な課題をテーマとする探求的な学習や国際交流に関する活動などによって国際的な素養を身につけた者も出願が可能である。

(2)各学類に応じた技能や取り組みの実績

例えば、生物学類であれば国際生物学オリンピックでの成績など。

(3)国際的な活動

対策

出願要件で評定平均4.0もしくは4.3以上が必要とされているので、定期テストの対策や提出課題などを徹底し、学校の成績は高い水準を維持していきましょう。筑波の推薦入試の特徴をまとめると、ほとんどの学類で共通テストが課されないため、面接と小論文の対策のみで合格を狙うことが可能ということになります。小論文はその学類に応じた筆記科目試験で、例えば物理学類なら物理の記述問題、というような感じなので一般入試の延長線で対策することも可能です。したがって、志望学群・学類に応じて小論文の出題内容を確認し、その対策をしっかり行うことが大切です。その上で、面接練習を重ねていくことで合格を狙っていけるでしょう。一般入試とも併願可能なので評定平均の条件を満たしている場合は積極的に出願していくと良いです。

まとめ

筑波大学は旧帝大にも引けを取らないと言ってもいいレベルの難関国立大学です。一般入試では科目問わず記述問題がほとんどで、基礎力はもちろん、採点者に分かりやすく説明する記述力が必須です。筑波大学志望の受験生は基礎学習の段階から、なるべく用語の説明をしたり、理系科目で解法の意図を説明できるように心がけていきましょう。

また、総合型選抜では高校時代の活動や研究が必須です。総合型で合格を狙っていく場合は一朝一夕の対策では間に合わないため、高校生活の早い段階から準備を進めていくと良いでしょう。

学校型推薦は評定平均さえ基準を満たしていれば、試験内容は面接とほぼ科目の記述試験である小論文のため、出願できるのであれば積極的に狙っていきたい入試方式です。

研究学園都市と呼ばれているほど学業や研究に集中しやすい環境なので、「大学はしっかり勉強がしたい!」という受験生におすすめの大学です。

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