多くの国公立大学の一般受験には共通テストの他に大学独自の個別試験(2次試験)が必要となります。しかし、一部の大学では個別試験が必要ない、共通テストと書類審査のみで受験ができる国公立大学の推薦入試が存在します。国公立大学はハードルが高いと思ってしまっている方もまだチャンスがございますので、記事を最後まで目を通してくださればと思います。
室蘭工業大学
北海道の室蘭市にある国立大学です。理工学部のみの1学部2学科制で、どちらの学科も実施しています。評定基準はなしでどちらの学科も数学と理科で受験することができます
配点はこちらです。数学理科が200点で調査書が20点、合計420点で選抜されます。
https://muroran-it.ac.jp/uploads/sites/6/2022/03/2025gakubunyushiyokoku.pdf
山形大学
山形大学では人文社会科学部で実施している学校推薦型選抜IIが対象です。人間文化コースとグローバル・スタディーズコースで配点等が異なります。人間文化コースでは、評定の基準はありません。国語、社会、英語の3科目での受験が可能です。配点は各科目200点ずつで、共通テストが600点、書類審査が100点、合計700点で選抜されます。
グローバル・スタディーズコースは評定基準がなしで国語と英語、そして社会もしくは数学から1科目選択する形です。配点は英語が400点と一番高くなっています。共通テストが700点、書類が200点、合計900点で選抜されます。
引用:HP
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/files/5117/1142/7544/2025kamoku_kyotsu.pdf
新潟大学
新潟大学は理学部理学科の化学プログラムと生物学プログラムが対象です。評定基準はありません。どちらのプログラムも社会なしの5教科7科目での受験となります。配点は化学プログラムが共通テスト550点、書類100点、合計650点で選抜され、生物プログラムは共通テスト500点、書類100点、合計600点で選抜されます。情報の配点が生物学プログラムの方が低くなっている分違いがあります。
引用:HP
https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/08/r7senbatsuhouhouyokoku_3.pdf
信州大学
信州大学では経法学部と繊維学部で実施されている学校推薦型選抜IIが対象です。経法学部では応用経済学科、総合法律学科どちらも評定基準なしで、共通テスト900点、書類200点の合計1100点で選抜されます。特徴的なのは社会と理科を併せて16科目から2科目選択するので、社会なしや理科なしでの受験も可能な点です。
繊維学部では先進繊維・感性工学科、機械・ロボット学科、化学・材料学科で実施しています。いずれの学科も評定基準はなしで数学、理科1科目、英語の3教科での受験が可能です。私立を考えている人も受験しやすいですね。共通テスト600点、書類10点の610点で選抜されます。
引用:HP
https://www.shinshu-u.ac.jp/ad_portal/docs/R7kyoukakamoku5.pdf
京都大学
京都大学も書類と共通テストだけで合格の可能性があります。対象は経済学部と工学部です。経済学部は文系型入試と理系型入試があります。評定基準は4.3以上が必要です。また、合格基準が定められており、文系型入試に関しては、共通テストが概ね80%以上で、社会の得点の高い科目と英語の2科目が概ね90%以上を超えないと合格の対象となりません。理系型入試は共通テストが概ね80%以上で、数学の2科目と理科の得点の高い科目が概ね90%以上を超えないと合格の対象となりません。
工学部では地球工学科、建築学科、物理工学科、電気電子工学科、理工化学科が対象です。概ねどの学科も同じ科目ですが、地球工学科以外は理科で物理が必須となります。また、合格基準が各学科異なるので自分の受験する学科の基準はきちんと確認しましょう。電気電子工学科は書類の審査に重点をおくようです。
引用:HP
神戸大学
神戸大学では経済学部と経営学部が対象です。経済学部では評定が4.0以上必要です。社会2つ理科1つか、社会が1つ理科が2つのどちらかを選択することができます。共通テストが1000点、書類が240点の1240点満点で選抜されます。
経営学部は評定が4.0以上必要です。経済学部と違って、社会が2つ理科が1つです。配点は情報が50点になっている分、共通テストが950点で、書類が100点の合計1050点で選抜されます。
引用:HP
https://www.office.kobe-u.ac.jp/stdnt-examinavi/wp-content/uploads/2024/05/change_r7_20240507.pdf
奈良女子大学
奈良女子大学では理学部の数物科学科と化学生物環境学科が対象です。評定基準はありません。受験科目はいずれも通常の理系国公立の6教科8科目です。配点は数物科学科が共通テスト1050点、書類200点、合計1250点、化学生物環境学科が共通テスト930点、書類100点、合計1030点で選抜されます。
引用:HP
https://www.nara-wu.ac.jp/nyusi/R7haiten.pdf
香川大学
香川大学では法学部、経済学部、創造工学部、農学部で実施されている学校推薦型選抜IIが対象です。法学部は評定が3.5以上必要です。国語と情報が必須で数学もしくは英語を選択します。3教科での受験が可能ですね。国語と情報が必須というのも珍しいですし、英語が必須というところは多いので、英語を使わなくていいというのも特徴的ですね。経済学部は評定が4.0以上必要です。推薦にAとBの2種類あり、情報を選択できるかどうかが変わります。数学を選択すれば3教科での受験が可能ですね。創造工学部では評定が3.5以上必要です。英語、数学、理科、情報での受験となります。農学部では評定が3.5以上必要です。農学部は英語と理科1つで受験することが可能です。2科目でいけるので負担が少なくて済みますね。
引用:HP
https://www.kagawa-u.ac.jp/files/6717/1074/9625/3.18_2025.pdf
九州工業大学
九州工業大学は工学部で実施している学校推薦型選抜IIが対象です。評定は3.8以上必要です。共通テストが920点、書類150点の合計1070点で選抜されます。国語が現代文140点、古文30点、漢文30点と特徴的な配点になっています。
また、九州工業大学は英語資格・検定試験の利用もできます。換算表により換算した得点(換算点)と共通テストの英語の得点を比較して高い方の得点となります。英検2級の合格スコアで共通テスト80%に換算してくれるので、早めに英検など取得して、英語の勉強時間を他の科目に回すという戦略も取れますね。
引用;HP
https://www.kyutech.ac.jp/archives/033/202306/20230607_yokoku3.pdf
鹿児島大学
鹿児島大学では農学部農学科で実施されている学校推薦型選抜IIが対象です。評定基準はありません。通常の理系国公立を受験するときと同じ6教科8科目での受験となります。共通テスト1225点、書類300点の合計1525点で選抜されます。共通テストは英語、数学、理科の配点が高くなっていますね。また、鹿児島大学には合格基準があります。共通テストの合計得点 60%を目安とする農学部が定める基準に満たない場合は不合格となることもあるので注意してください。
高崎経済大学
群馬県高崎市にある公立大学です。高崎経済大学では地域政策学部の学校推薦型選抜IIが対象です。
評定基準はなしです。英語は必須ですが、そのほかの2教科2科目を選択します。3科目で受験することが可能です。
引用:HP
https://www.tcue.ac.jp/files/leafpage/leafpage-658-1-seq1.pdf
都留文科大学
山梨県都留市にある公立大学です。都留文科大学では、教養学部の共通テスト利用推薦が対象です。いずれの学科も評定基準が3.3以上必要です。学校教育学科では国語もしくは数学のどちらかを必須で選択して、残り2教科2科目選択する形です。3科目での受験が可能なので、私立を狙っている人も受験しやすいです。国語、社会、英語という私立文系の受験の仕方もできますし、数学、理科、英語という理系の受験の仕方もできます。英語が必須ではないので、英語が苦手な人は英語を避けて受験することも可能です。共通テスト300点、書類200点の合計500点で選抜されます。
地域社会学科は英語と社会が必須でその他から2教科2科目選択します。英語、国語、社会2つという選択の仕方もできますし、社会の配点も高くなっているので、社会が得意な人はとても有利ですね。共通テスト500点、書類100点、合計600点で選抜されます。
比較文化学科は、地域社会学科と同じように、英語と社会が必須でその他から2教科2科目選択します。英語、国語、社会2つという選択の仕方もできますが、地域社会学科と配点が異なるので注意してください。共通テスト400点、書類100点、合計500点で選抜されます。
国際教育学科は国語と英語が必須で、その他の科目から1科目選択します。3科目で受験することができます。英語の配点がとても高くなっています。共通テスト500点、書類100点の合計600点で選抜されます。
引用:HP
https://www.tsuru.ac.jp/uploaded/attachment/3451.pdf
名古屋市立大学
名古屋市立大学では芸術工学部とデータサイエンス学部で実施している学校推薦型選抜Bが対象です。
芸術工学部情報環境デザイン学科と産業イノベーションデザイン学科では理科と社会がなしで受験することが可能です。情報が50点でそれ以外の教科が200点の合計650点です。
芸術工学部建築都市デザイン学科では理科と社会を1つずつで受験することが可能です。配点は全部で425点となります。
芸術工学部は評定基準はありませんが、データサイエンス学部データサイエンス学科は評定基準が3.6以上必要です。理科、社会、情報の中の2教科の組み合わせで最も合計得点の高いものが用いられます。合計800点で選抜されます。
引用:HP
https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/R7nyushi_henkou_suisen_R60509.pdf
大阪公立大学
大阪公立大学は農学部と看護学部が対象です。農学部では応用生物科学科と生命機能化学科で実施しています。農学部の受験科目は一般的な理系国公立の6教科8科目受験です。理科で地学が選択できないので注意してください。
看護学部は農学部と比べて理科を1つで受験することができます。理科基礎での受験も可能です。どちらの学部も評定基準はありません。
まとめ
本日は、共通テストと書類審査のみで受験できる国公立大学をご紹介しました。京都大学や神戸大学などの難関大学もあったかと思います。その他にも3科目で受験出来る国公立大学の推薦もございました。国公立は科目数が多いから自分にはできない、難関大の2次試験は自分には解けないと思ってしまいがちですが、本日ご紹介したように科目数が少ない推薦や2次試験を受けなくてもよい推薦はあります。こういった情報をしっかりと集めないと、諦めなくてもいいのに勝手に諦めてしまうなんてことになってまいますので、きちんと情報を集めて自分の受験を有利に進めていきましょう。国公立に行きたいけれど何をすればいいか分からない人は、ぜひ無料カウンセリングでご相談ください!